神々が宿るほこら巡り、タクシードライバーとの不思議な一期一会

ドライバー

筆者はタクシーに乗るとき、ドライバーと会話するのが大好きだ。
タクシードライバーは私が出会える以上の人なんかとは比べものにならない数の人と出会っている。
中には芸能人や著名人を乗せたというドライバーもいるし、ちょっと困った乗客の話をしてくれることもある。
さらに筆者は、タクシードライバーは景気の変化を感じる最前線の人たちだと思っている。だから勉強になることもある。

自分と共通点があったり、不思議な出会いをしたりすることもあるのもまた魅力だと思っている。

タクシードライバーと積極的に話すようになった理由

筆者がタクシードライバーと積極的に話すようになったのは、経済記者をしていた時のことだ。

筆者の在籍時にリーマン・ショックが起き、世界は一気に不況の渦の中にたたき込まれた。
もちろん日本も例外ではなく、夜の町の人が激減した時期もある。ちょうどそんな頃だった。

しかし筆者は終日社内にこもっている。現場を歩いてみないと本当の景況なんて語る資格はないんじゃないか。そこで役に立っていたのが、日々あちこちを走り回るタクシードライバーからの情報だったのだ。

タクシーそのもののお客さんはどのくらい減ったのか?夜の町はどう変わったのか?
景気や社会の変化を一番肌身で感じているのがタクシードライバーなのである。

自分が想像していた通りだった時もあれば、自分が思っていた以上に町の景況が復活していたということもあって常に勉強になっている。

最近ではコロナの話題をよく聞かせてもらっている。

そして時々、不思議な出会いもある。
どこかへ移動した行きも帰りも偶然同じドライバーの車だったときはさすがに声を上げて笑ったものである。

「神の島」への旅

沖縄に「神の島」と呼ばれる場所があるのをご存じだろうか。

那覇から沖縄本島を横断するように東に向かうと南城市という町にたどり着く。そこからフェリーか高速船に乗って15~25分ほどの所に浮かぶ「久高島(くだかじま)」という場所である。

自転車で30分ほどで一周できてしまう小さな島だが、琉球誕生のきっかけになった祖アマミキヨが天から舞い降りてきた場所とされ、沖縄の中でも特別な存在になっている。琉球王朝時代には国王もこの島を巡礼していたとされている。

この久高島と、対岸にある「斎場御嶽(せーふぁうたき)」とあわせて、パワースポットとしても知られている。

久高島の特別さは、訪問者にも課せられるルールでわかる。

まず、島から何も、石一つ持ち帰ってはならない。
そして、立ち入り禁止の場所が多数ある。季節によって立ち入り禁止となる場所もある。
かつて祭事が行われていた神聖な場所だからである。

何年か前、筆者は思い立ってこの島を訪れたことがある。

「うちなんちゅかと思ったさ〜」

東京から那覇空港、那覇空港から「ゆいレール」に乗ってバス乗り場へ。
しかし、南城行きのバスはしばらく来そうにない。

どうやって時間を潰そうかと考えていたら、遠くから男性の声で話しかけられた。

「○#※△■%@&◎!?」

何を言っているのかわからない。

筆者がわからない顔をしていると、

「どこまで行くの?」と聞き直してくれた。

筆者のことを沖縄の人だと思い込んでいたのだという。筆者はよく沖縄出身だと勘違いされるが、本当の現地の人が間違うくらいなら仕方ない。

バスはしばらく来そうにない。荷物もあるし暑い。ということで、タクシードライバーの男性の提案に乗り、定額で周辺のスポット案内もしてもらいながらフェリー乗り場に連れて行ってもらうことにした。

南城市まで小一時間。まず「斎場御嶽(せーふぁうたき)」に寄ってもらった。

さて、皆さんは「パワースポット」や「霊感」についてどんな印象を持っているだろうか。
筆者は「あるような、ないような」程度にしか考えていなかった。

しかしここはとんでもない場所だったのである。
のんびり歩いていると、すさまじい「気」を感じる。場所によっては感じ取るパワーが大きすぎて、クラクラしてくる。

外で待っていた運転手さんに感想を聞かれた。

「すごいとしか言い様がないです。疲れました」

と答えたら、「あ、やっぱりお姉さん、そういうのわかる人なんだね」と。

不思議な体験は帰ってからも

こういった話を信じるか信じないかは人それぞれで、同じ場所を訪れたときの感じ方も人それぞれのはずなのだが、この運転手さんが案内する乗客はほとんどが何かを強く感じる人らしい。もちろん、運転手さん自身もである。

神戸から来た親子連れは、車いすの母親の足に良い変化があったらしい。またある人は、頭痛でしばらく動けなくなったらしい。

また、筆者とこの運転手さんには思わぬ共通点があった。運転手さんは娘さんを、私は母親を似たような形で亡くしていたことである。筆者は自分の身の上は語らなかったが、運転手さんは何かを察したかのように娘さんの話をしてくれた。なんだか心の中を見透かされていたようで不思議である。

その後、観光地図にはない小さなほこらをいくつか回って、ちょうど良い時間にフェリー乗り場に到着した。
島にたどり着く前におなかいっぱいの体験をしてしまった。

そこから、筆者にも不思議な体験があった。
翌年、成田山に初詣に行ったときのことである。
なぜか気持ちが本殿にいかず、ふらふらと他の建物に寄せ付けられていった。そこで感じたのが、「斎場御嶽(せーふぁうたき)」で感じたパワーにすごく似ていた。

ただ、その後忙しくなって寺社仏閣などを訪れないまま過ごしてしまうと、自分の「何かを感じる力」が大分弱くなってしまっている気がする。
こういうのは「鍛える」「維持する」ものなのかもしれない。

縁とは掴みに行くものでもある

久高島は、沖縄の中では決してメジャーな観光地ではない。

筆者が久高島の存在を知ったのもひょんなことからで、かつて島で行われていた「イザイホー」という祭について耳にしたことからである。

「イザイホー」は、島の女性が神になって12年に一度実施されるという、島を挙げての神事である。600年にわたって受け継がれてきたが、後継者不足で1978年を最後に途絶えている。

映像や画像記録は多くはないが、その様子を写真で見て久高島に興味を持ったのが始まりである。

また機会があれば行きたいが、あれだけのパワーを受け取る覚悟がまだ筆者にはできていない。

ただ、「行ってみたいけどどういう所なの?」と時々聞かれる。
そんなときは、私はこう答えるようにしている。

「なかなか知られていない場所ですから、まず存在を知ったということ、行ってみたいと思った時点ですでに導かれているのではないでしょうか」。

縁とは、口を開けていてもやってくるものではなく、自分で「引き寄せる」ものでもあると筆者は考えているからだ。

ちなみに、久高島で筆者が気に入ったグルメは「海ぶどう丼」である。

清水 沙矢香
2002年京都大学理学部卒業後、TBSに主に報道記者として勤務。社会部記者として事件・事故、テクノロジー、経済部記者として各種市場・産業など幅広く取材、その後フリー。
取材経験や各種統計の分析を元に関連メディアに寄稿。

 

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