トラックドライバーになるのに免許や資格は必要?未経験で就職する方法も解説!

ドライバー

現代社会は、さまざまな物流で支えられています。人々の生活はトラックドライバーという職業なしには成り立たないといってもよいでしょう。

この記事では、トラックドライバーになるのに必要な免許や、あれば有利に働く資格を紹介します。未経験で就職できる方法についても解説しますので、トラックドライバーに興味がある人はぜひ参考にしてください。

トラックドライバーになるために必要な資格は?

トラックドライバーになるためには、まず運転免許が必要です。2022年時点での免許制度では、トラックの運転に関連する免許としては普通自動車運転免許のほか、準中型自動車運転免許と中型自動車運転免許、大型自動車運転免許があります。

ここからはどの免許でどの大きさのトラックが運転できるのか、実際にどのくらいの取得者がいるのかなど、詳しく解説します。トラックドライバーの業務をイメージしつつ、詳細を確認しておきましょう。

※参考:一般社団法人 東京トラック協会「トラックドライバーになるには」https://www.totokyo.or.jp/runtalk109tokyo/closeup/method/

普通自動車運転免許

普通乗用車を運転できる普通免許でも、運転できるトラックがあります。ただし、2017年3月12日に免許制度が改正されているため、取得時期によって運転できるトラックの車両総重量や最大積載量が違ってきます。

改正前の免許では車両総重量が5トン未満、最大積載量が3トン未満の車両まで運転できました。そのため、2017年の改正前に免許を取得した人の場合、普通免許でも新免許制度では車両総重量5トン未満、最大積載量3トン未満限定の準中型免許と見なされ、引き続き従来と同じ大きさのトラックを運転できます。

改正後に取得した普通免許で運転できるのは、車両総重量3.5トン未満、最大積載量2トン未満までの車両です。小口商品を配送するのに使われるトラックでは、改正後の普通免許でも運転できる範囲の車両が使われているケースも少なくありません。

※参考:警視庁「準中型自動車・準中型免許の新設について」https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/chugata.html

準中型自動車運転免許

免許制度の改正前(2017年3月11日以前)は普通免許、中型免許、大型免許の3種類だったところ、普通免許と中型免許の間に準中型免許が新設されました。改正後(2017年3月12日以降)に取得した準中型免許では、車両総重量が7.5トン未満、最大積載量が4.5トン未満の車両まで運転できます。

宅配やコンビニエンスストアの配送など、主に近距離の配送でよく使われているトラックはこの範囲のものが多く、所有していれば普通免許よりも幅広い業務に携われるでしょう。2021年末時点での準中型免許の取得者は、1,112万5,801人*1でした。

※参考:警視庁「準中型自動車・準中型免許の新設について」https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/chugata.html

※*1出所:警察庁「運転免許統計 令和3年版」https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/menkyo/r03/r03_main.pdf

中型自動車運転免許

中型免許では車両総重量11トン未満、最大積載量6.5トン未満の車両まで運転できます。普通免許や準中型免許は満18歳から免許を取得できますが、中型免許の受験資格は満20歳以上、かつ普通自動車などの免許保有期間が通算2年以上です。

中型免許で運転できる大きさのトラックは、近距離から中距離まで幅広い用途で用いられています。中型免許の取得者は、2021年末時点で5,852万340人です。2021年中に受験した人の合格率は94.5%で、準中型免許の合格率85.8%に比べて高くなっています*1。

※参考:警視庁「準中型自動車・準中型免許の新設について」https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/chugata.html

※*1出所:警察庁「運転免許統計 令和3年版」https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/menkyo/r03/r03_main.pdf

大型自動車運転免許

大型免許で運転できるのは車両総重量11トン以上、最大積載量6.5トン以上の車両、いわゆる10トントラックと呼ばれる大型のトラックなどです。長距離の輸送で使われることが多く、主に大量の荷物を拠点間で運ぶ幹線輸送で活躍しています。受験資格は満21歳以上、かつ運転免許の保有期間が通算3年以上です。

2021年末の大型免許取得者数は412万3,723人です。2021年中に受験した人の合格率は92.6%で、合格者6万7,341人のうち、指定自動車教習所の卒業者が6万989人で大部分を占めています*1。

※参考:警視庁「準中型自動車・準中型免許の新設について」https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/menkyo/chugata.html

※*1出所:警察庁「運転免許統計 令和3年版」https://www.npa.go.jp/publications/statistics/koutsuu/menkyo/r03/r03_main.pdf

トラックドライバーにとって強みとなる資格・免許は?

基本的に運転するトラックの大きさに応じた免許を所有していれば、トラックドライバーとしての業務に従事できます。ただし、トラックドライバーにとって必須ではないものの、持っていると強みとして働く資格があります。

具体的には「フォークリフト運転技能者資格」や「玉掛作業者資格」、「危険物取扱者資格」などです。それぞれどのような資格なのか、どのようにトラックドライバーの業務に結びつくのかを解説しますので参考にしてください。

フォークリフト運転技能者資格

倉庫や工場、配送センターなど、荷物の運搬で頻繁に使われるのがフォークリフトです。物流の現場では、トラックドライバー自身がフォークリフトを使い、荷下ろしや荷積みをするシチュエーションが増えているため、持っておいて損はありません。

最大荷重1トン以上のフォークリフトを運転しようとする際は、フォークリフト運転技能者資格が必要です。保有資格や従事している業務経験によって必要な講習時間が異なりますが、満18歳以上なら誰でも受験できます。最大荷重1トン未満のフォークリフトを運転するためには、フォークリフトの運転の業務に係る特別教育を受講し、修了証を得る必要があります。

※参考:KOMATSU「フォークリフト運転技能講習」https://www.komatsu-kyoshujo.co.jp/KkjReservation/Subjects/CourseListSkillForklift.aspx

玉掛作業者資格

トラックへの荷積みや荷下ろしにクレーンを使う業種もあります。荷重1トン以上のクレーンや移動式クレーン、デリックなどを使う場合、玉掛作業者資格が必要です。特に建設業界や鉄鋼業界などで需要が多く、取得していると強みになります。

玉掛作業者資格は18歳以上なら、玉掛技能講習を受講することで誰でも取得が可能です。講習は3日間行われ、1日目と2日目はクレーンや玉掛に関する知識を中心に学び、修了試験を経たうえで3日目に実技も行われます。クレーン運転士免許など一定の資格を所有している人は、講習の一部が免除されます。

※参考:一般社団法人 労働技能講習協会「玉掛技能講習」https://www.rougi.or.jp/course/tokyo/tamakake

危険物取扱者資格

消防法で規定された危険物を取り扱える資格が危険物取扱者資格です。危険物取扱者資格は「甲種危険物取扱者」と「乙種危険物取扱者」、「丙種危険物取扱者」の3種類あり、取り扱える危険物の範囲に違いがあります。

甲種は全種類の危険物の取り扱い、および定期点検や保安監督ができる資格です。乙種では危険物の種類が第1類から第6類まで分けられ、合格した種類の取り扱いや定期点検、保安監督ができます。丙種はガソリン・灯油・軽油・重油など、特定の危険物に限って取り扱いと定期点検ができる資格で、保安監督はできません。

トラックドライバーではタンクローリーの運転手など、燃料輸送の職種でニーズがあります。

普通自動車免許しか持っていなくてもトラックドライバーになれる?

トラックドライバーの仕事が気になるものの、未経験で、しかも普通免許しか所持していない人もいるかもしれません。しかし、実際には未経験で普通免許しかなくても、トラックドライバーになることは可能です。

以下の段落では、未経験でもトラックドライバーになりたい人のために、現場でどのような支援が行われているのか、何が必要とされているのかを説明します。トラックドライバーになるための、道筋を確認しておきましょう。

資格取得支援制度(免許取得支援制度)

トラックドライバーが多数活躍している会社では、資格取得支援制度を設けているところも少なくありません。例えば中型免許や大型免許を所有していない人に対し、免許取得にかかる費用のサポートをしてくれる制度です。

ただし、全額または一部を補助してくれる会社もあれば、貸し付ける方式をとっている会社もあります。また、貸し付け方式ではあるものの、一定期間勤務すれば返済義務がなくなるなど、制度の詳細はさまざまです。どのような方式の支援制度なのか、会社がどの程度負担してくれるのかなど、利用したい場合は面接時に確認しておくとよいでしょう。

熱意をアピールしよう

物流は社会的な経済活動はもちろん、我々の日常生活にとっても、なくてはならないものです。物流を支えてくれるトラックドライバーを必要としている現場は多く、未経験でも熱意のある人を採用する会社は少なくありません。

トラックドライバーになるのに学歴や職歴はあまり重視されないため、前職では物流と全く関連のない分野で働いていた人が転職してくるケースもあります。なによりも大事なのは、これからトラックドライバーとして頑張っていきたいという熱意です。トラックドライバーへの転職を考えているのなら、その熱意をアピールしましょう。

トラックドライバーを目指してみよう!

普通免許しかなくても、トラックドライバーとしての仕事をスタートできるチャンスはあります。未経験でも資格取得支援制度を活用して免許を取得したり、入社して先輩たちの指導を受けたりしながら、やがては熟練のトラックドライバーになることが可能です。

多くの人の生活を支える物流の担い手、トラックドライバーを目指してみましょう。

文責 働きやすい職場のミカタ編集部

 

働きやすい職場認証制度とは?

 

「働きやすい職場認証制度」は、自動車運送事業者(トラック・バス・タクシー事業)の運転者の労働条件や労働環境を第三者機関が評価・認証する制度です。

 

[1]法令遵守等、[2]労働時間・休日、[3]心身の健康、[4]安心・安定、[5]多様な人材の確保・育成、[6] 自主的、先進的な取組み(一つ星認証では参考)の6分野について、基本的な取組み要件を満たすことにより認証されます。

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