ドライバーはもしかしてあなたの天職かも? 運輸業界適性チェック

ドライバー

EC産業の成長や物流サービスの発達、ウィズコロナによる観光需要の回復……。

それらの要因が相まって、日本では不況が続く中でもなお、ドライバー関連の求人が増え続けている。

極論すれば、免許と決意があれば他業種から移ってくることも可能なこの業界。

だが、食わず嫌いと言うべきか、せっかく仕事がありながら敬遠してしまっている人も中にはいる。

とりわけ長くホワイトカラーに従事してきた方の中には、転職先はたとえ収入が下がろうがデスクワーク以外はやりたくないという人も多いように思う。

そして運輸業に携わる知人・友人を多く持つ筆者が思うのは、「それって、本当にもったいない」ということだ。

以前はスーツを着て会社勤めをしていたり、フリーランスとして稼いでいた者が、一念発起してドライバーに転職。

かつては辛そうに働いていたのが見違えるように明るくなったり、柔軟なワークスタイルを享受していたりするケースを、自分は多々見てきている。

その経験から言うと、転職において最初からドライバー職を除外してしまうのは、あまりに惜しいと感じるのである。

とはいえもちろん、どんな仕事でも言えることだが、個人の適性というものはある。

そこで、本稿では皆さんがドライバーに向いているかどうかを判断するための一助として、セルフ適性チェックで注目すべきポイントをご紹介したい。

もしかするとドライバーの仕事は、あなたにとって天職かも……? 

人間関係の煩わしさが少ないドライバー職

まず最初にお伝えしておくと、ドライバー職にはそもそも制度として定められた運転適性診断というものがある。

バス・タクシー・トラック運転手などが仕事を始めるに当たり、適性検査を通じて安全な運転ができるようにし、交通事故を未然に防ぐのが目的であり、受診は義務化されている。

たとえば、新たにドライバー職として会社に勤める場合には、新人・ベテラン関係なく初任診断を必ず受ける。

これは診断結果が悪かったとしてもドライバーとして働けないという意味ではなく、自身の改めるべき点を認識し、事故防止のための学びを得るためのもの。

つまり、業界入りすれば適性チェックはおのずと受けられるわけだが、以下筆者が語るのはドライバーをなりわいとしようかどうか迷っている方に向けた話だ。

あくまでドライバー業の向き不向きに関する個人の意見であるということを踏まえつつ、読み進めていただければ幸いである。

さて、最初にドライバーデビューを真剣に考えていただきたいタイプとして挙げたいのは、「ひとりですごす時間が好きな方」だ。

先に言っておくと、これは人とのコミュニケーションが好きな方はドライバーに向いていないという話ではない。

端的に言って、そういったリアル充実系の方ならば、世の中の大半の仕事に適応できるだろうし、運転手としても自分の良い点を発揮できるに違いない。

それに対し、対人関係があまり得意でない方の場合、職種によっては苦労をしがちなもの。

そういう向きにとってドライバーはある意味、天職となりえるのである。

社長付き運転手を経て、現在は一人親方で運送業を営む筆者の知人は次のように語る。

「長距離トラックなら運転中はずっとひとりだし、タクシーだって客を乗せていない時間は自分だけだから、実はドライバー仕事って人間関係の煩わしさが少ないんだよ。

特に自分みたいに一人親方でやっていると、荷物の積み込みと宅配の時以外、人との接点がないからね。

会社員だと嫌な上司とか同僚がいた場合、デスクを並べて仕事をしているわけだから逃げ場がなくて、人間関係を一度こじらせると大変でしょう。

それが嫌になってこの業界に入ってきた人を結構見てきているんだけど、みんなそろって言うのは『今の方が気楽でいい』ってことだね。

もちろん、ドライバー職だって対人関係で嫌なことがないわけではない。

でも、荷物を届けて筋違いの文句を言われても、下手すればその人と二度と会わないかもしれないのだから、丁寧に対応して気持ちを切り替えればいいだけのこと。

自分ひとりの時間が好きな人とか、人付き合いが苦手っていう人ほど、この業界に来ればいいのにって思うよね」

押しが強くなくても頑張りが認められる仕事

次に話を聞いたのはフリーランスとして働きながら、副業で配送の仕事もしている10数年来の友人である。

彼いわく、ドライバーに向いているタイプは「控え目な人」と言うのだが、そのココロは一体?

「ギラギラした性格の人だってもちろん運転手はやれるし、トラックとか現場仕事ではそういう性格の方がいいとは思う。

自分が言いたいのは、控え目な性格の人って会社勤めだと損をしがちだけど、ドライバー職ならそれはむしろ長所ということ。

お客さんを乗せたり他人の大事な荷物を運んだりする以上、一番避けなければいけないのは事故だから、控え目だったり慎重なタイプの方がよっぽど信頼できるんだよね」

確かに、ホワイトカラーの職場では『俺が! 俺が!』と他人を押しのける人や、僕は優秀ですと嘘でもアピールできる人、はたまた上にこびへつらうタイプなどが往々にして認められがちだ。

その点、ドライバー業界とはたとえ地味でもちゃんと頑張る人が向いていて、なおかつ正当に評価されるということだろう。

「たとえば車の運転についていうと、『自分は下手でして』って謙虚に言う人の方が、だいたい安全運転で上手だったりする。

逆に『運転なら誰にも負けない!』とか言う人は、本当に上手なら別にいいんだけれど、思い込みだと危ういよね。

以前、フリーランスの仕事で車を出した時、助手席に座っていた編集者から『君さあ、こんな安全運転じゃモテないよ!』なんて言われたことがあるんだけど、その人が典型的な『俺、上手』って勘違いしているタイプ。

『飛ばすのがかっこいいとか上手だって思っているんだ、厳しいなこの人……』って心の中で思ったけれど、こういうタイプはホント、反面教師だね。

この仕事では無事故、安全運転ほど尊いものはないんだよ」

人を乗せ、他人の荷物を運ぶのは、それらに対して責任を負うということ。

そのために必要なのは、イケイケな会社で求められがちな押しの強さや過剰な自信といったものではなく、真面目にコツコツと仕事をこなす意識なのである。

まずは業界入りして合う合わないを確かめるべし!

最後に話を聞いたのは、ハンドルを握って数十年というプロフェッショナルの方。

すでに還暦をすぎていながら、今も愛車の軽ワンボックスで日々配達にいそしむ現役ドライバー職の大先輩である。

ドライバーの適性というか、この仕事に就くことをオススメしたいタイプとしてその方が挙げたのは「何かしらのモチベーションがある人」だ。

「まず、一番向いているのは『稼ぎたい!』っていう動機がある人ですね。

ドライバーの仕事って、もちろんバブルの頃ほどではないにしても、今でもやり方次第で結構な収入になるんですよ。

たとえば会社員の場合、40代、50代で転職すると、よほどスキルとか経験がない限り収入が下がったりするでしょう。

違う会社に移って年相応に扱われればいいけれど、イチから新人と同じような仕事をやらされることだってあるわけですよね、若い社員に混じって。

リストラされた、どうしようとか言っている人の話を聞いていると、同じ再スタートなら自分が頑張っただけ収入になるこの業界に来ればいいのにって、つい思ってしまうんですよ」

言うまでもなく、お金は最大のモチベーション。

これ以上説得力のある言葉もなさそうだが、この方いわくドライバー職に就くモチベーションは他にもあるという。

「歳をとっても安定的に働きたい、自分のペースで仕事をしたいと思っているなら、ドライバーに転業するのはアリだと思います。

私の周りには60で定年になり、再雇用で働いている友人が何人かいるのですが、やはりガクッと収入が下がるし、職場に居づらいって聞きますね。

それでも使ってもらえればいい方で、早期退職を迫られたりする場合もあるわけで、歳を重ねるといろいろと現実は厳しいものです。

ただ、ドライバー仕事は『手に職』ですから、60を過ぎても腕さえしっかりしていれば働けます。

ある意味、会社員よりも安定している部分があると思うんですよね。

私と同じ歳でケータリングの仕事をしている友人がいるんですが、彼は働きたい時だけ働くスタイルで、今日はやるかって思うとアプリをONにして、仕事を受けるのだそうです。

ドライバー職の中にはそういう融通が効くものもあるので、仕事を選べば自分の体力と相談しながら働けます」

さて、ここまでお読みいただいてドライバー職に関心を持たれた方がいるとしたら、筆者から最後にお伝えしたいことがある。

それは、最も効果的で間違いのない適性チェックの方法である。

ドライバーが自分に向いているかどうかを確かめるには、つまるところ実際にやってみるのが一番。

変に先入観を持たず、業界をのぞいてみるくらいの気持ちではじめたら、意外と居心地がよかったということは世の中普通にあるものだ。

人生の岐路とも言うべき転職において、選択肢が多ければ多いほどいいのは当たり前。

ぜひドライバー職を排除せず、多くの方々がこの仕事に関心を持っていだだけることを願ってやまない。

御堂筋あかり スポーツ新聞記者、出版社勤務を経て現在は中国にて編集・ライターおよび翻訳業を営む。趣味は中国の戦跡巡り。

 

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「働きやすい職場認証制度」は、自動車運送事業者(トラック・バス・タクシー事業)の運転者の労働条件や労働環境を第三者機関が評価・認証する制度です。

 

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